奥秩父 屋根岩(1906m) 2011年8月1日

所要時間 5:48 駐車場−−6:03 金峰山荘−−6:20 屋根岩パノラマコース分岐−−6:25 黒帯白樺分岐−−6:46 ルンゼで行き止まり−−6:53 巻道に入る−−7:03 屋根岩 7:24−−7:41 黒帯白樺分岐−−7:52 金峰山荘−−8:06 駐車場

概要
 金峰山荘より往復。一応道はあるが、崖下に出てルンゼに突き当ってからが不明で事前に情報収集してから出かけないと山頂到達は難しい。崖は全て下を巻いて左に進むこと。薄いながら踏跡あり。稜線に出てからはオレンジのテープが多数ある。山頂は巨岩に囲まれた白砂の平坦地

 奥秩父小川山はロッククライミングのゲレンデで有名どころだが、屋根岩もその名の通り岩屋さんの登攀対象である。だから一般登山の対象外だと思っていたが数年前にDJFが登り、意外にも登山道があって岩登りは不要であることが判明した。岩屋さんが登るのは本峰ではなくいくつかある枝峰らしかった。ネットで検索して岩登り以外の記事がないか探したが、ぱっと見た限りではDJFのものしか無かった。

大弛峠方面林道との分岐にある駐車場 金峰山荘前のゲート

 廻り目平は川上村なので毎度のコースで川上村に入り、大弛峠方面へと南下、途中で道が分岐するが道なりに進むと廻り目平方面だ。以前来た時よりも道路がよくなっており、そのまま進んでいくとゲートが登場、案内によると受付は朝7時からとのことで夜中は入れないようだ。この道路は途中に駐車スペースは無く、大弛峠方面との分岐箇所に駐車場があったのでそこに車を置いて歩くことにした。日曜夜なのでこんな場所の駐車場では車はゼロ、平地と違って涼しく快適に寝られた。

金峰山荘 案内標識
駐車場から見た屋根岩前衛峰 駐車場周囲はキャンプ場

 屋根岩の標高は約1900m、ここの標高は約1460mもあるので大した時間はかからないのでのんびりと起きて朝飯を食って出発。15分ほど舗装道路を歩いてゲートを越えて金峰山荘前通過、その奥が広い駐車場になっており、その周囲がキャンプ場になっていた。平日なのに結構な人数がテントを張っており、どういう人種なのだろうか(私もその仲間であるが)。

駐車場奥に案内標識あり 廃林道起点
枯れた沢を横断 屋根岩パノラマコース分岐。ここを右に入る
黒帯白樺の分岐。ここを左に上がる ケルンあり

 この先はDJFの記録をガイドブックにして進んでいく。DJFは往路と復路でとったルートが異なるようだが、最終的には廃林道を進んで沢を渡って少し進んだところで右に入り、「黒帯白樺」で左の踏跡に入るようだ。林道は緩やかにジグザグを切っているがショートカットする踏跡もある。行きは道が分からないので林道を歩いたが帰りはほとんどショートカットした。枯れた沢を横断して少し進むと右側に屋根岩展望コースが分岐、どうやらこれが最初の分岐点で林道を離れて右に入る。そしてDJFの写真の通りの黒帯白樺が登場、左に顕著な踏跡が上がっておりケルンも積まれ、案内標識等は無いがいかにもそれっぽい。あとはこれを辿って登ればいいが、記事によると途中で行き詰まり左に巻く箇所があるのだが、それが判断できるだろうか。DJFが歩いたときには多数の目印があったとのことだが今は全く見られない。一般周遊コースを歩くハイカーが迷い込まないように取り去ったのかもしれない。

この程度の踏跡が続く。ケルンが散在 こんな植生なのでどこでも歩ける

 この付近の植生は微妙に細い落葉樹林で下草皆無で基本的にどこでも歩けるため、踏跡が薄い箇所は慣れない人だとルートを外すかもしれない。しかし岩屋さんも同じように外すようで、まるで鹿道のように縦横無尽に薄い踏跡が存在するのだった。まあ、基本は上を目指して歩けばいいので、あまり踏跡を気にせずともいいかもしれない。あとで分かったが、上部は幕状の岩となっており、どう登っても岩壁に行きあたってそれ以上登れなくなって左に巻くしかないのだった。

幕岩登場。基部を進む ルンゼで行き止まり。もっと手前で左に巻くのが正解
ルンゼを右に巻いてみた 朽ちかけたフィックスロープがあった。山頂ではない

 一番太そうな踏跡を辿っていくと幕状岩直下に出て、ここは基部を左上に踏跡が続く。この岩にはボルトが打ち込まれクライミングルートがあるようだ。さらに登ると再び幕状岩が登場、踏跡はそのまま登り続け、ルンゼで行き止まりだ。たぶんDJFがぶつかったルンゼはここだろう。左は岩で巻けないので右の踏跡を進んでみたが、一段高いところに登るとその先は切れ落ち、上に登るように古びて体重をかけるのが怖い残置ザイルがぶら下がっていた。さすがにこれに命を預けるわけにもいかず、そもそもDJFの記録ではルンゼは登らず左に巻いたとのことで右ではない。念のためGPSの電源を入れて現在位置を確認すると山頂は北西方向200m先であり、磁石で方位を確認するとこのロープを登った岩の方向と距離ではない。

標高を落として左に巻く 初めて目印登場。以降は頻繁に存在する

 というわけでこのロープで登っても山頂ではないのは間違いなく、ルンゼまで戻って左に巻けない地形であることを確認し、巻ける地形が出てくるまで標高を落とすことにした。岩が消えて矮小な潅木が生い茂る斜面に出たところで薄い踏跡が出現、ぱっと見では踏跡とは見えない程度であり獣道なのか判別もできないが、とにかく稜線を巻いて進めれば問題ないので気にせずに進む。踏跡の薄さはずっと続くが安全な場所を巻いて行くので大丈夫のようだ。やがて古びたオレンジ色のテープが登場、これがDJFの記事にも出てくる目印かもしれない。こいつは一度出現するとその後はずっと続いており、ある箇所よりも下の区間ではすべて取り外したとしか思えなかった。

稜線に出る。朝露でけっこう濡れてしまった 武蔵野市立自然の村へもルートがあるようだ

 稜線に出たところは岩場はなく、樹林帯のなだらかな尾根だった。樹林に覆われているのでこの先に巨岩の屋根岩山頂があるのか見ることはできず、薄い踏跡とテープを追っていくしかない。この辺は低い木々で朝露に濡れた枝や葉がはみ出しており少々濡れてしまった。

屋根岩山頂。逆光のためイマイチの絵 屋根岩最高点の巨岩
屋根岩から見た展望(クリックで拡大)

 やがて左から回り込むように小ピークに出ると、突如として樹林が切れて開けた砂礫と巨岩の平坦地に飛び出した。ここが屋根岩山頂部だ。本当の最高点は左手奥の巨岩だと思われるが、DJFが登ったときにはまだ残っていた木の梯子はほぼ崩壊して1本の棒のようになってしまい、他には巨岩の上から太いワイアーロープが垂れ下がっているだけで、一般人には登れそうにない。この辺の岩は花崗岩で、表面は風化してスベスベなので手がかり足がかりに乏しいし、岩があまりにもデカくてこれもホールド、スタンスが乏しい理由だ。ハーケンやボルトも見られないのでこの岩を登る岩屋さんもいないようだ。

 砂礫地は巨岩に囲まれた状態なので大展望とはいかないが、正面には雲がかかった小川山。屋根岩前衛岩峰はすぐ目の前で、朽ちかけたロープを伝って登っていたらあのうちの一つに到達していたのだろう。あれこそは岩屋さんの世界だ。

 日陰でしばし休憩してから下山開始。今度はルートが分かっているので安心して歩ける。巻道が終わってからは適当に下を目指した。どうせどこかで林道に出るわけだし。広い駐車場に出て金峰山荘前を通過、駐車場に戻った。

 

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